治療内容

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)

SAS(睡眠時無呼吸症候群)は"大きないびき(鼾)"が特徴です。'いびき'は睡眠中に舌が上気道に落ち込み、気道が狭くなることで息を吸い込んだとき、その周辺から音が出ます。これにより、必要な酸素を体内に取り込むことができず、身体に様々な障害が現れます。


気道の様子

SASの定義は「7時間の睡眠中に10秒以上の呼吸停止が30回以上ある」。あるいは「睡眠1時間あたり10秒以上の無呼吸あるいは低呼吸が5回以上」とされている。現在は、後者が使われています。


日本でSASは人口の1%(120万人)以上といわれており、さらに習慣性「いびき(鼾)」患者は13%(1600万人)以上といわれています。SASは、眠っている間に呼吸が止まる、あるいはいびきをするという症状だけではない。SASは、多彩な臨床症状を呈し、また、それが社会生活に重大な影響を及ぼす疾患であることが明らかになっています。


1979年のスリーマイル島の原発事故、1983年のチェルノブイリ原発事故、1986年のスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故、1989年のアラスカ沖の史上最悪タンカー座礁事故などもSAS(睡眠時無呼吸症候群)が原因とされています。また、日本では、2003年JR山陽新幹線「ひかり126号」居眠り運転事故は日本で初めてSASが注目された事故です。

欧米人に比べてアジア系人種では肥満が軽度あるいは肥満でなくてもSASが発症しやすいことが知られています。痩せたアジア人の典型的なSAS患者はLong face, Small jaw(長顔、小顎)であると言われています。それゆえに肥満度が高くない日本人でも欧米並みにSASが発症すると考えられています。


SASの閉塞により、夜間の睡眠中に眠りが浅くなり睡眠不足となる(睡眠時無呼吸後、窒息感を感じ覚醒してしまう。あるいは眠りが浅くなる。また中途覚醒後、再入眠が困難になる)。SASによる日中の強い眠気は会議やデスクワーク中にも起こり、そのまま居眠りを生じることもある。又倦怠感や集中力の低下などの原因にもなる。性格の変化(うつ状態)、著しい労働力、学習力の低下をもたらし、生活の質(QOL)まで、低下させます。


またSAS患者による自動車事故率が異常に高いことが示され、患者自身だけでなく他人を巻き込む可能性が高く、その社会問題性は高い。重大な自動車事故、鉄道事故、医療事故などを引き起こす原因ともなる。さらにSASは、動脈硬化を促進させ、生命に直接関わる脳血管障害、高血圧、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクファクターであり、人間の寿命を短縮させるといわれています。

眠気チェックシート
あなたはどれくらい眠気を自覚していますか?

以下の8つの質問に対して「眠気の状況」を参考に、当てはまるものの数字の合計を出してみてください。あなたの眠気の状態がチェックできます。


眠気の状況  0:眠ってしまうことはない 1:時に眠ってしまう 2:しばしば眠ってしまう 3:ほとんど眠ってしまう

質  問 回 答
(1) 座って何かを読んでいる時(新聞・雑誌・本・書類など) 0・1・2・3
(2) 座ってテレビを見ている時 0・1・2・3
(3) 会議、映画館、劇場などで静かに座っている時 0・1・2・3
(4) 乗客として1時間続けて自動車に乗っている時 0・1・2・3
(5) 午後横になって、休息をとっている時 0・1・2・3
(6) 座って人と話をしている時 0・1・2・3
(7) 昼食をとった後(飲酒なし)、静かに座っている時 0・1・2・3
(8) 座って手紙や書類などを書いている時 0・1・2・3

合計が13点以上あると、眠気の自覚症状があるといわれています。点数が高ければ高いほど眠気の自覚が強く、何かしらの睡眠障害の疑いが高くなります。

SASの治療方法
1:CPAP(持続陽圧呼吸療法)による治療

これは重度のSASの方で歯科ではできません。


2:口腔内装置による治療

呼吸器内科等による検査にてSASと診断され、SASが軽度、中程度であり、医科からの紹介状があれば歯科にて、保険適用にて作成できます。

CPAPに比べ口の中に装着できる大きさですから場所をとらず、持ち運びにも便利で安価(CPAPに比べ)です。


SS (Sleep Splint)

OA (Oral Appliance)写真掲載しています


3:生活習慣の改善

生活習慣の改善のみでSASを治すことは難しいですが、他の治療とあわせることによってSASを軽減させることは可能です。また少しでも良い睡眠がとれるように、眠りにつきやすい環境を整えることも必要です。


減量:肥満が原因でSASになっている場合には、効果的です。

体位・横向きに寝る:少しでも重力の影響を受けないように、体を横向きにして寝ると症状が軽減する場合もあります。

減酒:アルコールは、筋肉を緩める作用があるため、気道の閉塞を起こしやすくします。また寝つきが良くなることも有りますが、夜中に目が覚めたり、浅い睡眠を増やしてしまう作用もあります。


またSAS患者による自動車事故率が異常に高いことが示され、患者自身だけでなく他人を巻き込む可能性が高く、その社会問題性は高い。重大な自動車事故、鉄道事故、医療事故などを引き起こす原因ともなる。さらにSASは、動脈硬化を促進させ、生命に直接関わる脳血管障害、高血圧、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクファクターであり、人間の寿命を短縮させるといわれています。

治療内容の例
顎関節症

顎の痛み、開閉口時に音がする、咀嚼時の顎のだるさなどは顎関節症の疑いがあります。

詳しくはこちら
睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は大きないびきが特徴で放置すると身体に様々な障害が現れます。

詳しくはこちら
口 臭

口臭の原因の80%は口の中にあります。虫歯や歯周ポケット、舌苔、歯垢などの要因が合わさり口臭が発生します。

詳しくはこちら
ドライマウス
(口腔内乾燥症)

ドライマウスとは、口腔内のだ液分泌量が低下することで起こるお口の中の乾燥症状を指します。

詳しくはこちら
歯と歯周病

歯周病は、歯周組織が歯垢に含まれている細菌に感染し、歯茎の腫れなどの歯の周りの病気の総称です。

詳しくはこちら
(FLASH動画)
スポーツ・マウスガード

口腔内に装着する弾力性のある装置で、口腔での外傷を減少させ歯と周囲組織を外傷から保護するものです。

詳しくはこちら
(FLASH動画)
一般歯科

虫歯・歯周病をはじめとした、口腔内の疾患すべてを治療いたします。口腔の痛みや違和感などを取り除き、スムーズに咀嚼できるようにいたします。

また近年増加の傾向にある、顎関節症の治療も行っております。どのような症状に対しても、患者様との対話をもって治療を進めて行きます。(インフォームド・コンセント)

当院は『8020運動(80歳で20本の歯を残す)』を推進しております。歯を丈夫なまま末長く使っていただくために、適切なアドバイスとケアを施します。

小児歯科

乳歯が生えてくる1歳ぐらいから永久歯に生え変わる10歳ぐらいまでのお子様が該当しますが、虫歯の診察から他の病気が発見される場合もあります。かみ合わせや歯並びが気になるなど、些細なことでもご相談ください。

早めの治療開始が早期完治につながります。まずは検診のつもりで、お気軽にご来院ください。

矯正歯科

歯並びを整える、見た目だけを重視する治療のように思われがちですが、かみ合わせの悪さなどは歯や顎の状態にも関係し、全身の健康に影響が及ぶ場合もあります。

早期治療が治りも早く、しいてはご本人の身体的・精神的・経済的負担の軽減につながると思われます。 お気にかかる点がございましたら、まずはご相談ください。